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座談会「会社環境・制度」について

全ては研究のしやすさのために

あえて「デンソーらしくない」ことをして「デンソーとは異なる何かをつくろう」という想いのもと設立されたデンソーアイティーラボラトリ(以下、ITラボ)。そのため、働く環境としても自由度が高く、会社の制度には実験的なものが数多くあります。

Member

  • 住吉信一
    研究開発グループ
    リサーチャ
    専門は3Dでの計測技術と認識技術。前職はオフィス機器メーカーの研究開発部署にて、コンピュータビジョンに関する研究開発に従事していたが、より研究に注力できる企業を求めて転職。2016年に入社。ARのヘッドマウントディスプレイ向けの3D認識の技術を研究した後、最近では3D計測の研究を行う。
  • 吉田悠一
    研究開発グループ
    シニアリサーチャ
    前職は研究所に勤務。その後、他で研究を続けるか、開発に携わるか、ベンチャー企業に行くかを悩んだ結果、2007年に入社。専門はモバイルアプリケーションの研究開発や画像検索技術。これまで研究開発だけでなく、営業・企画までも手がけて,自らの手で商品化も実施してきた。それらの商品企画やライセンスはデンソーやグループ会社へ移管されている。
  • 土井 浩史
    研究開発グループ
    マネージャー、シニアリサーチャ
    電機メーカーにて、道路インフラで画像認識を行う処理装置の設計開発を経験。その後、研究開発やアルゴリズムに関わりたいと2001年に入社。当時の次世代カーナビの開発では、ユーザー好みのレストランを推薦するアルゴリズム開発を担当した。近年はマネージャーとして、世の中が求めることを考えて研究開発と事業寄りの仕事との橋渡しに多く携わってきた。

裁量労働制は研究のためにも、家族のためにも

― 率直に聞きます。ITラボの環境や制度のいいところとは?

住吉コアタイムのない裁量労働制で研究できるところです。だからこの会社を選んだということもあるんですけど。あとは、渋谷というロケーションが都内の大学や企業の勉強会に参加しやすいということはメリットだと思ってます。

土井勉強会への参加は、会社が業務の一環と見做して推奨していて「自腹で勝手に行って」ではないのは他とは違うかもしれないです。裁量労働なので、子どもの夏休みなどに午前中は家で仕事して、お昼ご飯を作ってから会社に出てくることも。家でも外でも仕事ができるようなパソコンやネットワークの環境も、会社として整えられてますからね。

吉田あと、勉強会は行くだけでなく、業務中に自分たちが主催してもいいんですよ。申請して4回以上やると正式な勉強会と認められ、会社から懇親会費という飲み代が出る。「ご褒美がなくても勉強会はやるよ」と思うけど、もらえるならね(笑)。そして、上司の承認は要るけど本は無限に買っていいし、国内の学会は自由に行っていい。海外の学会は、発表なら上司と折り合いを付ければ何回でも。聴講目的は年1回。費用は出張として全額出る。また、学会で表彰されると褒賞金ももらえます。

自由な環境、自由な制度

― 一方で社風が「自由」であることも特徴であると聞きますが、それが感じられるところや制度にはどんなことがありますか?

住吉会社の中でお酒を飲んでいるのは、ちょっと(笑)。

吉田実は「サロン」という名称で、毎週木曜の夕方に会社で飲みながら研究の話をする制度があって。いや、実は前から飲んでたんです。まず渋谷で飲んで、次のお店が空いてないから「じゃあ会社に帰るか」ってコンビニでビール買ってきて。会社で飲むと情報漏洩を気にしなくていいんです。

土井そう、2次会なのに、皆ホワイトボードにワイワイと研究のことを書き出して議論が始まる。それなら逆にお酒ありで研究の話をする場を作ればいいじゃないっていうことで、サロンという制度ができたんですよね。

制度は後からついてくる

― このような自由で特徴のある制度が作られる理由って、どんなところにあると思いますか?

土井うちの制度は、社員の想いがどんどん反映される。誰かがやってみていいことだったら、他の人のためにちゃんと制度にする。初めて何かをやる時も、誰かから「やめろ」と言われることはないですね。

吉田研究や成果に必要であれば、制度のあるなしに関係なく、何でもやってきました。思わぬことが起きて、後からどうしようというのもあったけど(笑)。例えば、うちは研究所だから、社内でも企業の仕組み上「直接他社に何かを売ることはない」と考えていました。でもある時、開発した画像検索システムを他社から買いたいという要望があって。そんな時も「そうだ自分たちは研究所なんだから、ビジネスを研究することもおかしくない」と経営陣も柔軟に調整してくれて「テスト販売」という制度ができました。

指名制メンターと、オープンに意見を求め合う社風

― その他の制度として、他社とは少し違うメンター制度もあると聞いています。今回の3人は、住吉さんの上司が土井さんで、メンターはチームが違う吉田さんという関係なんですね。

住吉メンターを吉田さんにお願いしたのは、1年前から論文を継続的に見てもらっていたからです。丁寧に見てくれるし、論文以外の仕事についてもアドバイスをもらっていて。デンソーとの仕事では、どのように進めるかを上司の土井さんだけでなく、吉田さんにもアドバイスをもらっています。

土井入社したばかりの人がチームの違う先輩に「教えて」というのを躊躇ってしまうのはよくない。フラットな会社だから、メンターは組織の垣根なく「あの人の指導を受けたいです」と自主的に選んでもらってます。余計な気遣いがなくなるといいなぁと、あえて制度にして教える側も教わる側もやりやすくしました。メンターの指導は仕事としてやってもらうので、マネージャーとしても申し訳ないと思わずにお願いできる。教わる側も遠慮せず聞ける。直属のマネージャーと話すのとメンターと話すのでは違うし。業務と技術的な話は違う。研究する人はやりやすいんじゃないかな。チーム外からコメントをもらえるのはとてもいいと思ってます。

吉田この制度にはそんな裏があったんだ。今回、論文についてはメンターとして継続的にチェックしているけど、別にメンターでなくても皆オープンにやっているんで。自分が書く時も皆に見てもらって、色んな意見をもらえる方が参考になる。論文のオーサーリストを見ると多くの人が居るのは、そういう社風だからなんです。

良い研究は、良い議論から

― 最後に、様々な制度は研究しやすい環境を作るためにあると思います。その結果、どのような環境ができていますか?

住吉研究者同士のコミュニケーションが取りやすいです。開発合宿などを企画しても、どんどん参加してくれます。だから情報は共有しやすいし、共通でほしいスキルなどを皆で学べる場も作りやすいのは良いところだと思っています。

吉田議論ができる環境があります。さらにレベルを高めるためには、同僚同士で高め合える場が大切。日々そう考えながら、議論したり勉強会をしています。

土井吉田さんの話を制度に絡めて話すと、会社の環境として議論の時間をいかに作るかを考えています。忙しくなると時間がなかったり、躊躇ったり。だから、チームの垣根など関係なく、人や世代が変わっても、今の状況にちょうど良い制度を会社やマネージャーが考え続けて、これからもさらに研究のしやすい環境を作って行きたいと思っています。

吉田信じたい。

土井そのつもり(笑)。

― 住吉さん、吉田さん、土井さん、ありがとうございました。

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