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研究開発グループ リサーチャ
画像認識

鈴木 哲平

Teppei Suzuki

PROFILE

2018年入社
大学院修士課程 画像セグメンテーションの研究

大学のDrコース進学より、自身が成長できる場として入社を決意

デンソーアイティーラボラトリ(以下、ITラボ)初の「新卒入社」となった鈴木さん。「勉強することがとにかく好き」な鈴木さんが、なぜ博士課程進学ではなくITラボへの入社を決意したのでしょうか。新卒の立場から見たITラボの環境の魅力について伺いました。

まだまだ勉強したい若手には最高の環境

入社を考えたきっかけは、修士課程で所属していた研究室の先輩とITラボとの共同研究です。当時私は、博士課程に進学しようと考えていましたが、一方で研究環境を変えたいという思いもあり、進路に悩んでいました。

先輩から聞いていたITラボは、「研究者が生き生きと自由に興味のあるテーマで研究に取り組んでいる」ように見えました。また、私はまだまだ勉強したいと思っていたので、優秀な方が周囲にいて指導していただける環境であることを重視していましたが、その点についても魅力的に感じました。入社後に、会社が社会人ドクターとして博士号取得の支援をしてくれることも大きな決め手でした。

面接時には、主に大学での研究についてプレゼンテーションしました。ITラボは採用担当者も含めて全員が技術的なバックグラウンドを持っています。修士論文のテーマとして取り組んでいた「機械学習を利用した画像セグメンテーション」について、先輩社員の皆さんとディスカッションをさせていただけたのがとても新鮮でした。

人の命を預かる自動車に必要な「安全の保証」

現在は、機械学習によって、車載カメラの映像から、前の車両との距離を測定することをテーマにした研究に取り組んでいます。産業的にはニーズがとても広いテーマです。企業の中にいるからこそ、大学の研究室にいたのでは分からない、社会での応用を見据えたテーマに取り組めていると思います。

「車載カメラで距離を測る」というテーマは他にも多くの方が研究しており競争も激しいのですが、私の研究は少し視点が違って、車載システムのモデルを作るための機械学習用に、正解を作るためのアルゴリズムに着目しています。

アルゴリズム自体は既にできあがっているのですが、「このアルゴリズムはどのくらいの誤差をもって動くのか」という理論解析をしています。クルマにおいて誤差をきちんと把握することは、アルゴリズムとしてどのくらい精度が高いものができているかを測るためだけでなく、人の命を預かる自動車に「安全の保証を付ける」ということにも直結します。これまでになかったアプローチなので、そこが難しいところです。今は、IEEEへの論文発表などを目指しています。

研究テーマは、入社時に会社から与えられているわけではありません。このテーマは、社内のメンターの方に指導をいただいて決めたものです。このメンター制度は若手の研究者に、社内のベテラン研究者の方が研究のアドバイスをしてくれるというもので、今年から始まったと聞いています。

わざわざメンタリングセッションの時間を設けるのではなく、困ったことがあればいつでも気軽に相談やディスカッションができます。メンターの方は私とは、研究やキャリアのバックグラウンドが違うので、研究に対する目線が違います。何を大切にするか、方針が違っているので難しいこともありますが、それがまた楽しくもあります。

働き方は自由、ディスカッションしやすい環境

会社の制度としては年齢に関係なく裁量労働制で、何時に出社してもいいし、在宅勤務も可能です。毎日子どもを保育園に送迎してから出社される方もいますし、ワークライフバランスが取れていると思います。また、学会への参加も推奨されており、発表なしの聴講のみでも海外で開催される学会に参加することが可能です。

私自身は毎朝10時から11時の間に出社して、19時から20時の間に退社するというサイクルで仕事をしています。機械学習に関する論文を読んで勉強して、勉強した内容のコードを書いて実際に動かして実験して、メンターはじめ周りの研究者たちと議論しています。

座席は大部屋に一人ずつのパーティションが区切られた環境なので、周囲とは仕切られつつも、人の気配はあって、割と気軽に話しかけられる環境です。あと、会社の制度で、毎週木曜日の夜にお酒も用意された場が設けられていて、気兼ねなく分野を超えて議論できます。そういう場でのディスカッションがきっかけで、新たな気付きを得たり、研究が進んだこともあります。

勉強する中で興味を持てるテーマを探す

私は、周囲に人がいて、ある程度話し声がする環境の方が集中できるタイプなので、カフェで勉強するのも好きです。週末もカフェに籠もって勉強しています。仕事とプライベートの境目はないですね。勉強して知識を増やすことがとても楽しいんです。私にとって研究というのは、知識の理解度を確認するために、解決すべき課題に合わせてプラスアルファを加えてアウトプットすることなのだと思っています。勉強して知識を増やす中で、自分が興味を持てるテーマに出会えれば理想ですね。

今、興味を持っているのは、「グラフ信号処理」です。グラフ信号というのはネットワーク構造をノード(頂点)とエッジ(辺)とエッジの重みで表したものです。SNSでユーザー同士を接続する「ソーシャルグラフ」というのがその一例ですが、他にも様々なものをグラフ信号として扱うことができます。例えば画像であれば、画素の一つ一つをノードとみなし、隣接したノードにエッジを張っているとみなせば、格子状のグラフ信号とみなせます。また、言語も主語と述語の関係をグラフ信号として記述できます。つまり、グラフ信号を効率良く扱えるアルゴリズムがあれば、多様なものに応用が可能になりそうです。

ITラボでは、自分が興味を持ったことを、ある程度自由に研究でき、かつアカデミックな世界では触れ合えない事業視点を持つ方と身近に接することができます。このような環境は他にあまりないと思っています。まだまだ私は勉強して知識を身に付けている段階なので、周りの方に多くのことを教わっています。向学心の高い人にはお勧めの環境ですね。

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