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挑戦と成長を支える研究環境で、未来を拓く「種」を育む
変化の時代を牽引するイノベーションハブ
デンソーアイティーラボラトリ(ITLAB)は、多様なバックグラウンドを持つ研究者たちが集い、自ら「未来の種(シーズ)」を見出し、モビリティ社会を中心とした新たな未来の創造に挑戦する場です。私たちは、先端的な基礎研究を通じて、人々の暮らしをより豊かにする革新を追求しています。
2000年の創業当時、「クルマにIT技術を導入する」という新たな時代を見据えた先駆けとしてITLABは設立されました。デンソーグループの「世界一の技術」を追求する姿勢のもと、急速に進化するソフトウェア技術を融合し、モビリティ分野に革新をもたらすことを目指してきました。
私たちのミッションは、デンソーグループにおけるイノベーションの起点となることです。最先端の研究成果を通じて、デンソーグループの広範なスケールと卓越した技術力を牽引し、単なる研究で終わることなく、技術の社会実装をリードします。
変化が激しく、不確実性の高まるこの時代において、私たちが生み出す「未来の種」はモビリティの枠を超え、社会課題を解決し、人々の生活に新たな価値を提供する可能性を秘めています。ITLABはこれからも挑戦を続け、未来を切り拓いていきます。
「世界を変える」と「ありがとう」―異なる研究の醍醐味
ソフトウェアの世界では、技術革新のスピードが非常に速く、シーズ技術も常に進化を続けています。その変化に対応するため、ITLABでは研究者自身が研究テーマを設定する文化を大切にしています。この仕組みによって、トップダウンではなく、自由で創造的な研究環境が築かれています。
ITLABの最大の魅力は、最先端の研究に挑戦し、論文発表で世界を驚かせるだけでなく、その成果をデンソーを通じて社会に還元でき、最終的には世界を変える力を持つ点にあります。この循環こそが、ITLABならではの価値といえるでしょう。
さらに依頼を受けて技術開発に取り組む際、研究者は現場で直面する多様な課題に向き合います。それらの課題は論文には記されていない、現場特有のユニークな挑戦です。それを解決し、「ありがとう」の言葉をいただく瞬間は、研究者にとって大きなやりがいと喜びを感じる瞬間でもあります。

研究者が自ら作りあげる、研究に没頭するための環境
ITLABでは、未解決の難問に挑み続ける研究者こそが価値創造の源泉であると考えています。そのため、研究者の成長を支える独自の環境づくりを追求しています。
例えば、組織運営には「ティール組織」の考え方を採用しています。これは階層的な支配構造ではなく、柔軟で自己調整的な構造を採用しており、個人の自主性と組織の目的を調和させることを目指す組織形態です。ITLABでは、研究ビジョンを共有する研究組織(研究クラスタ)と特定の役割を果たすマネジメント組織(委員会)の双方に全ての研究者が参加でき、新たな研究クラスタの設置や会社運営ルールの改定も誰もが提案可能です。このフラットで自由な構造が、革新的なアイデアと活動を促進しています。
また、研究者が最新の研究テーマを追求できるよう、学会参加や研究成果の発表を奨励し、報奨制度も整備しています。例えば専門分野外の学会でも自由に参加できる仕組みは、急速な進化するソフトウェア技術に適応するための大きな利点です。同時に私たちも研究成果を積極的に公開し、世界中の最先端の研究者と切磋琢磨することを重視しています。
さらに、東京科学大学(旧東工大)との「共同研究講座」では、ITLABの研究者と大学の優れた人材がタッグを組み、最先端の共同研究に取り組んでいます。この取り組みは、単一ではなく複数の研究室との連携によるテーマの横断性と規模の拡大を行っており、国内有数の研究グループとして、質、量とも高い成果を上げています。
挑戦する好奇心と共創力を持つ研究者
私たちが求めるのは、高い専門性を持つだけでなく、変化に柔軟に対応できる順応性、新しいことに果敢に挑戦する好奇心、そして研究を通じて社会をより良くしたいという強い意志を持つ研究者です。
また個々が異なる研究テーマを探求する中でも、チームのために積極的に協力する姿勢が大切です。規模の大きな研究を成功させるには、研究ビジョンを共有し、深い議論を重ね、それぞれの専門性を結集することが欠かせません。このような共創の精神が、私たちの研究文化を支え、より大きな成果を生み出す原動力となっています。
楽しく研究し、未来を創ろう!
ITLABの創業時、私はデンソーから出向し、カーナビゲーションのソフトウェアリニューアルプロジェクトを率いていました。その後、AIの研究に進み、応用先を模索しながら技術提案を行う日々を過ごしていました。当時は限られていた応用分野も、技術の急速な進展とともに大きく広がり、現実の技術へと進化する激動の時代を研究者として実感してきました。
現在、ITLABが取り組む技術やアプリケーションの幅はさらに広がっています。交通事故防止を目指す安全技術や自動運転、モビリティの電動化、少子高齢化による人材不足の解決に向けた工場の自動化、さらにはカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーに貢献する技術など、多岐にわたる社会課題に対応しています。
私たちITLABの研究は、こうした社会課題の解決に直結し、それがデンソーグループの価値を高める原動力となることを目指しています。一人ひとりの研究者が得意分野を最大限に活かし、大きな成果を生み出せる企業であり続けたいと考えています。
私たちと一緒に、楽しく研究しながら未来を創り上げていきましょう。ITLABにはそのための環境が整っています。